ナラ枯れの被害を受けた木については次のことに注意しましょう。
ナラ枯れが発生した森林では、被害発生時または数年後に、猛毒性のカエンタケが多く発生することが確認されています。カエンタケは触れるだけで炎症を起こすことがあります。誤って食べてしまった場合、発熱・悪寒・嘔吐・下痢・腹痛・手足のしびれなどの症状を起こし、消化器不全、小脳萎縮による運動障害など脳神経障害により死に至ることもあります。 決して触らないでください。
カエンタケ(南足柄市広町地内ほか 神奈川県県西地域県政総合センター撮影)
カシナガが樹木に穿孔した箇所からは、樹液が染み出すことがあります。樹液にはカナブンなどの甲虫やスズメバチ類も多く集まりますが、スズメバチ類は強力な毒を持つものが多く、人間への攻撃性も高い非常に危険な生物ですので、注意が必要です。
穿孔箇所から染み出る樹液(左)と樹液に集まるスズメバチ(右)
ナラ枯れによる枯死木は、腐朽が早く、倒伏しやすいと言われています。住宅や道路近くの枯死木は放置せずに伐採するのが望ましいです。枯死木の倒伏や枯れ枝の落下には十分注意しましょう
倒伏や枯れ枝の落下の恐れのある枯死木