こうした課題に対処するため、ゾーニングによる地域特性に応じた森林管理の目標を定め(神奈川地域森林計画)、水源環境保全税と森林環境譲与税の相乗効果により森林整備を推進します
【自然再生ゾーン】
標高800m以上
ブナなど高標高域を象徴する多様な樹種と階層を持った自然林。
【生物共存ゾーン】
標高300m以上
多様な生き物が生息する針葉樹が混生する広葉樹林
【資源循環ゾーン】
林道から概ね200m以内
資源循環を取り戻した持続可能な人工林
【身近なみどり再生ゾーン】
標高300m以下
クヌギ、コナラ、クリなどの森の恵み 豊かな落葉広葉樹林等
県では、「将来にわたる良質な水の安定的確保」を目標に、平成19 年度から水源環境保全税(個人県民税の超過課税)を創設し、水源保全地域において
森林や河川、地下水の保全・再生、水質汚濁など水源環境負荷の軽減対策を総合的に進めています。
このうち、森林の保全・再生の取組では、県内水源保全地域において、水源の森林づくり事業など、私有林の公的な管理・支援による人工林の整備や、
整備により発生する間伐材の搬出、シカの管理捕獲やブナ林再生等の事業に充てられます。
我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、平成31(2019) 年3月に、「森林環境税」及び「 森林環境譲与税」が創設されました。
この税は、市町村が実施する間伐などの森林整備や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等に、県においては市町村が行う取組を支援す
る費用に充てられます。
※1森林環境税:国内に住所を有する個人に対して課する国税(令和6(2024) 年度から課税)
※2森林環境譲与税:国が市町村及び都道府県に対して森林環境税の全額を譲与(令和元(2019) 年度から譲与)なお、令和5年(2023)年度までは暫定的に交付税及び譲与税特別会計における借入れにより対応
水源環境保全税の対象とならない取組を森林森林環境譲与税により進めることで、水源保全地域の森林整備の進展、都市部の森林・緑地の質の向上など、 県内全域の森林に効果が及ぶこととなります。さらに、市町村の公共建築等に生産された木材が利用されることで、森林・林業に対する理解の醸成が進み、 「伐って植えて育てる」資源循環のサイクルが生まれ、持続可能な森林経営を支える、相乗効果が期待されます。
森林の公益機能を将来にわたって持続していくための対策
林道は、森林の適正な整備及び保全を図り、効率的な林業経営を行うための基盤となる施設です。適切な森林施業を推進し、森林の多面的機能の持続的な発揮を図るために、計画的な路網の整備を進めます。
路網を活用した木材搬出
森林の維持造成を通じて、山地に起因する災害からの住民の生命・財産の保全や、水源のかん養、生活環境の保全・形成等、森林の公益的機能の増進のために、治山施設や保安林の整備を進めます。
山の崩壊地の復旧