神奈川県森林協会


拡がるナラ枯れ

6.被害森林の環境の変化~森林再生の兆し

再生する森林

カシノナガキクイムシの穿入により衰弱した木が全て枯れてしまうことはありません。コナラの場合の枯死率は30~40%と言われています。枯死せずに抵抗性を持った木として生き残った木が次第に増えて、数年後にナラ枯れが終息するとも言われています。

枯死木が多く発生した森林では、林内が明るくなり、次の世代の木の成長が見られるようになりました。

ナラ枯れによって木が枯れるのは残念なことですが、結果として世代交代を促すことで森林の多様性を生み出しているのかもしれません。

三浦半島のマテバシイ林の写真。膝下くらいの高さの稚樹が成長している。

三浦半島のマテバシイ林の例(2021年1月撮影)

……成長を始めた次世代の稚樹


(文字)多様性のある森をデザインしよう
県央地域のコナラ林の写真。画面右下に切り株あり。

県央地域のコナラ林の例(2021年10月撮影)

枯死した大径木を伐採することで、明るいギャップが生じ、遷移が始まる。
競争の過程でコナラの実生を選択して残していけばコナラ林が再生する。


倒木や枯れ枝の落下に注意

ナラ枯れによる枯死木は、ナラ菌がまん延しており、腐朽が早く、風等により倒伏がおきやすいと言われています。枯死木は放置せずに伐採するのが望ましいですが、枯死木の倒壊や枝の落下には十分注意しましょう。

枯れたナラの木を見上げた写真。背景に青空。

毒キノコに注意

ナラ枯れが発生した森林では、被害発生時または数年後に、猛毒性のカエンタケが多く発生することが確認されています。カエンタケは触れるだけで炎症を起こすことがあります。誤って食べてしまった場合、発熱・悪寒・嘔吐・下痢・腹痛・手足のしびれなどの症状を起こし、消化器不全、小脳萎縮による運動障害など脳神経障害により死に至ることもあります。 決して触らないでください。

さわらないでね(イラスト)
カエンタケの写真。朱色の棒状のキノコ。
カエンタケの写真。朱色の棒状のキノコ。

カエンタケ(南足柄市広町地内ほか 神奈川県県西地域県政総合センター撮影)

樹液に集まるスズメバチ類に注意

カシナガが樹木に穿孔した箇所からは、樹液が染み出すことがあります。樹液にはカナブンなどの甲虫やスズメバチ類も多く集まりますが、スズメバチ類は強力な毒を持つものが多く、他者への攻撃性も高い非常に危険な生物ですので、注意が必要です。

近づくな(イラスト)
穿孔箇所から染み出る樹液の写真。木の幹から茶色い樹液がしみ出している。
樹液に集まるスズメバチの写真。大型の蜂。

穿孔箇所から染み出る樹液(左)と樹液に集まるスズメバチ(右)

「ナラ枯れ」についてもっと知りたい方はこちら

⇒ 地域の森林をみんなで守ろう - 森林づくり活動フィールドでのナラ枯れ対策Q & A - (PDF)7.5MByte

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